松山純子
社会保険労務士事務所

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創業時の助成金について

1. 中小企業基盤人材確保助成金

都道府県知事の認定を受けた改善計画に従い、新分野進出等(創業、異業種進出等)に伴い新たに経営基盤の強化に資する労働者(「基盤人材」)の雇入れを行った場合、当該基盤人材の賃金に相当する額の一部として一定額を助成します。
(基盤人材の雇入れに伴い、一般労働者を雇い入れる場合には、当該一般労働者の賃金に相当する額の一部として、さらに一定額を助成します。)

−基盤人材とは−
創業や異業種進出のため、新たな事業における業務に就く者であって、1、2のいずれにも該当すること

1. 次のいずれかに該当する者
 @事務的・技術的な事務の企画・立案・指導を行うことができる専門的な知識や技術を有する者
 A部下を指揮・監督する業務に従事する係長相当職以上の者

2. 申請事業主において、年収350万円以上(臨時給与や賞与等を除く)の賃金で雇い入れられる者
 *雇い入れ時に雇用契約書等で1年間に支払われる予定の賃金が350万円以上であり
  実際に支払われた賃金が、第1期の支給申請時において175万円以上、
  第2期の支給申請時においては350万円以上支払われていることが必要です
(1) 受給できる事業主
■雇用保険の適用事業主であること。(労働者を雇入れ時に雇用保険の適用事業主となること)
■創業や異業種進出を開始した日から6ヵ月以内に東京都知事に改善計画を提出し認定を受けた事業主であること。
■実施計画期間中に労働者を雇入れる事業主であること。
■創業や異業種進出等に伴う施設または設備の設置・整備に300万円以上負担すること。

(2) 助成対象となる経費
■不動産
 ・土地並びに建物の他、設計費および建設解体費等。
 ・事務所・店舗賃貸料(管理費・共益費・水道光熱費は除く)、礼金
 ・店舗等の改装にかかる費用
■動産
 ・機械、装置、工具、備品等
 ・車両本体価格
 ・デスク、厨房機器、空調設備
 ・パソコン、車両等動産のリース料
 ・フランチャイズ加盟料 等

(3) 支給金額
基盤人材を雇用した場合、1人あたり1年間で140万円(5人を限度)
一般労働者を雇用した場合、1人あたり1年間で30万円(基盤人材と同数まで)

(4) 助成されるための手続き
■提出期限
 法人登記した日等から6ヵ月以内に東京都知事に改善計画を提出し認定を受ける。
■手続き先
 独立行政法人雇用能力開発機構
■提出書類
 事前届・・・「改善計画認定申請書」「実施計画申請書」 
 助成金支給申請・・・「支給申請書」

(5) 助成対象費用の流れ

(6) ちょっと教えてQ&A
Q: 創業や異業種進出等に伴う施設または設備の設置・整備に300万円以上負担することが要件になっていますが、この中にHP作成代は含まれますか?
A: HP作成代は含まれません。パソコンを購入した場合、パソコン本体代は含まれます。

Q: 創業や異業種進出等に伴う施設または設備の設置・整備に300万円を計上できる期間を教えてください。
A: 創業や異業種進出を開始した日から第1回目の支給申請までの期間です。

Q: 購入した物品が、費用期間内に納品されていません。この費用は計上できますか?
A: 費用期間内に納品(引き渡し)が終了したものしか対象にならないため、計上できません。

Q: 複数年でリースした物品については、何ヶ月分計上できますか?
A: リースについては、費用期間内に支払った額のうち最大12ヵ月まで計上できます。

Q: 商品の陳列棚を購入する予定ですが、そのための運搬及び取り付け費用も計上できますか?
A: 計上できます!

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2. 受給資格者創業支援助成金

雇用保険の受給資格者がその受給期間中に、自らが創業(個人事業または法人どちらでも可)し、創業後1年以内に継続して雇用する労働者を雇い入れ、雇用保険の適用事業の事業主となった場合に、創業に要した費用の一部について助成します。
(1) 受給できる事業主
■受給資格に係る被保険者期間が5年以上ある受給資格者が個人事業または、法人を設立したものであること。
■創業する受給資格者が専ら業務に従事していること。
■個人事業または法人の代表者であって、法人の場合は創業する受給資格者本人が出資していること。
■法人等の設立日以後3ヶ月以上、事業を営んでいること。
■設立日(個人事業の場合は開業日)から1年以内に、雇用保険の一般被保険者を雇い入れること。
(パート・正社員等は問いません)
■法人等を設立する前に、公共職業安定所に「法人等設立事前届」を提出したもの。

(2) 助成対象となる経費
■法人等設立の準備にかかる経費
 ・事業計画の作成費用等
 ・金融機関への出資金払込手数料 等
■運営等経費
 ・事務所、店舗等の賃借料
 ・電気工事、設備工事、内外装工事費に係る経費
 ・厨房機器、空調等の設備費
 ・フランチャイズ加盟金
 ・パソコン、車両等動産のリース料 等
■職業能力開発経費
 ・講習、研修会等の受講費用
■雇用改善の改善に要した経費
 ・労働者の募集
 ・就業規則作成に係る経費 等

(3) 支給金額
助成対象となる経費の3分の1(限度額200万円)
 ご注意!!
 ・法人等の設立日から3ヶ月以内にサービスの提供、物品の引き渡しがあったもの
 ・法人等の設立事前届の提出日以降第1回目の支給申請日までに支払いが完了していること

(4) 助成されるための手続き
■提出期限
 雇用保険の受給期間中に事業を開始しようと決断したら、事業を開始する前に事前に申請
■手続き先
 公共職業安定所
■提出書類
 事前届・・・「法人等設立事前届」
 助成金支給申請・・・「受給資格者創業支援助成金支給申請書」

(5) 助成対象費用の流れ

(6)ちょっと教えてQ&A
Q:助成金申請時に添付する「契約書」「領収書」についてどんな点に注意しておけば良いですか?
A:チェックポイントは下記の4つです。
 @契約年月日が「法人等設立事前届」の提出日以降であること
 A領収書の宛先が事業を起こした本人または事業所名でること
  *「上様」が対象になりません!
 B但し書きや請求書など、品目等が明確であること
 C支払先から正式に発行されている書類であって、支払った金額がわかること

Q:営業用として車両を購入しましたが、ガソリン代やオイル交換代は助成対象になりますか?
A:ガソリン代やオイル交換代は、消耗品になるため、助成対象になりません。


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3. 地域創業助成金

地域に貢献する事業を行う法人を設立または個人事業を開業し、65歳未満の非自発的離職者を1人以上含む2人以上の常用労働者及び短時間労働者を雇用した場合に、新規創業に係る経費及び労働者の雇い入れについて助成します。

(1) 受給できる事業主
■雇用保険の適用の事業主であること。
■法人の設立または個人事業の開業後6ヵ月以内に「地域貢献事業計画書」を提出し、認定を受けた事業主であること。
■認定を受けた計画に基づき、次の貢献事業を行うものであること。
 地域貢献事業
  ・個人、家庭向けサービス
  ・社会人向け教育サービス
  ・企業・団体向けサービス
  ・住宅関連サービス
  ・子育てサービス
  ・高齢者ケアサービス
  ・医療サービス
  ・リーガルサービス
  ・環境サービス
  ・地方公共団体からのアウトソーシング
  ・地域重点分野
■次の要件を満たす労働者(創業支援対象労働者)を2人以上(非自発的離職者自らが設立・開業した場合は1人以上)雇用すること。
 創業支援対象労働者
  ・雇用保険の一般被保険者であること(ただし、1人以上は短時間労働被保険者を除く一般被保険者であること)
  ・雇い入れ日現在における年齢が65歳未満であること
  ・法人等の設立日から1年6ヵ月以内に雇い入れられた者
  ・雇い入れ後3ヵ月以上経過した者
■法人等の代表者が、事業内容に同一性が認められる他の個人事業主もしくは法人の代表者でないこと、又はこれらであったものでないこと。
■法人等の設立日から助成金決定日までの間、常用労働者を事業主都合で解雇したことがない事業主。

(2) 助成対象となる経費
■法人等設立の準備にかかる経費(上限額75万円)
  ・事業計画の作成費用等
  ・法人設立登記または開業に係る開業等届の作成等の代行費用等
■職業能力開発経費
  ・役員、従業員に対する教育訓練費 等
■設備・運営経費
  ・事業所の改修工事
  ・事務所、店舗等の賃借料(賃借料は6ヵ月分を限度)
  ・広告宣伝費等の設備、運営費 等

(3) 支給金額
■新規創業支援金
 助成対象経費(創業後6ヵ月以内に支払った創業経費)の3分の1
 (限度額150万円〜500万円)
■雇入れ奨励金
 非自発的離職者1人につき30万円
 短時間労働被保険者1人につき15万円(上限100人)

(4) 助成されるための手続き
■提出期限
 法人等設立日の翌日から6ヵ月以内
■手続き先
 高年齢者雇用開発協会
■提出書類
 事前申請・・・「事業計画書」
 支給申請・・・「支給申請書」

(5) ちょっと教えてQ&A
Q:非自発的離職者はどのような人のことですか?
A:下記に該当する方を非自発的離職者といいます。
 @解雇(自己の責めによる解雇者は除く)
 A事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合
 B事務所移転等で通勤が困難になったことによる自己都合
 C定年
 D継続雇用制度の定めるところによる離職
 E移籍出向

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4. 高年齢者等共同就業機会創出助成金

45歳以上の高年齢者等を3人以上が、自ら職業経験等を活用すること等により、共同して事業を開始し、労働者を雇い入れて継続的な雇用・就業の機会を創設した場合に、当該事業の開始に要した一定範囲の費用について助成します。

(1) 受給できる事業主
■3人以上の高齢創業者の出資により新たに設立された法人の事業主であること。
−高齢創業者とは−
 @法人の設立登記日において、45歳以上であること。
 A法人の設立登記日から助成金申請日まで、報酬の有無、常勤・非常勤の別を問わず
  当該法人以外の法人役員、労働者、個人経営者等でないこと。
  (当該法人以外の法人役員になっている場合は、創設した法人の設立登記日の前日までに、
  その役員の辞任に関する変更登記がされていること)
 B当該法人の設立時の出資者であって、法人の設立登記の日から継続して、
  当該法人の業務に日常的に従事していること。 
 C自営廃業者及び自己都合退職者のうち一定範囲の者は除く。
■高齢創業者のうち、いずれかの者が法人の代表者であること。
■高年齢者共同就業機会創出事業計画書を作成し、高齢・障害者雇用支援機構の認定を受けたこと。
■法人設立登記日および計画書を提出する日において、高齢創業者の議決権の合計が、総社員または総株主の議決権等の過半数を占めていること。
■法人設立登記日から6ヵ月以上、事業を営んでいること。
■法人設立登記日から6ヵ月以内に助成対象経費を支払っていること。
■支給申請日において、45歳以上の労働者を1人以上雇用していること。
■自己資本比率(自己資本を総資本で割り100を乗じた比率)が50%未満である事業主であること。

(2) 助成対象となる経費
■法人の設立準備期間に発生した経費(上限額150万円)
 ・事業計画の作成費用等
 ・登記等の手続きに要した経費
 (社会保険労務士・司法書士・中小企業診断士等への相談経費も含む)
 ・事務所、店舗等の賃借料、仲介料、礼金
 ・電話、パソコン、事務机等の事務用備品購入費 等
■運営等経費
 ・事務所、店舗等の賃借料、仲介料、礼金
 ・事務所、店舗等の改修工事費
 ・事務所・店舗の光熱水料
 ・広告宣伝費(HPも可)
 ・消耗品費
 ・フランチャイズ加盟料 等

(3) 支給金額
助成対象となる経費(創業後6ヵ月以内に支払った助成対象経費)の合計額に対し、雇用保険適用事業所を設置した地域の有効求人倍率に応じた支給割合を乗じて得た額で、500万円を上限。

  有効求人倍率による地域区分
全国平均未満の地域 全国平均以上の地域
支給割合 2/3 1/2
支給上限額 500万円 500万円

(4) 助成されるための手続き
■提出期限
 設立登記日により、支給申請受付期間が指定されます。
■手続き先
 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構
■提出書類
 事前届・・・「高年齢者等共同就業機会創出事業計画書」
 助成金支給申請・・・「支給申請書」

(5) ちょっと教えてQ&A
Q:クレジットカード払いで物品を購入した場合、助成金の対象となる経費に含められますか?
A:法人名義のカードのみ認められています。決裁が完了していることが確認できる書類の添付が必要です。

Q:NPO法人を設立する予定です。高齢創業者が3人いますので、対象となりますか?
A:この助成金は、法人設立登記日および計画書を提出する日において、高齢創業者の議決権の合計が総株主等の過半数を占めていることを要件としています。
NPO法人の場合、設立の認証に当たり最低10人の社員が必要になりますので、従いまして、通常6人の高齢創業者が必要になります。

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5. 子育て女性起業支援助成金

子育て期(12歳以下の子供と同居している状態)に、有効求人倍率が全国平均を下回る地域に住所を有する女性自らが起業し、起業後1年以内に継続して雇用する労働者を雇い入れ、雇用保険の適用事業の事業主になった場合に、当該事業主に対して創業に要した費用の一部について助成します。

(1) 受給できる事業主
■雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある女性が個人事業または法人を設立したものであること。
■女性起業家が専ら当該法人等の業務に従事すること。
■法人の場合は、女性起業家が出資し、代表者であること。
■法人等の設立日以後3ヵ月以上、事業を営んでいること。
■法人等の設立日から1年以内に、雇用保険の一般被保険者を雇い入れ、雇用保険の適用事業主であること。

−有効求人倍率が全国平気を下回る地域−
 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、埼玉県、千葉県、
 京都府、奈良県、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、徳島県、愛媛県、高知県、福岡県、
 佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

(2) 助成対象となる経費
■法人設立の準備にかかる経費
 ・経営コンサルタントへの相談経費
 ・金融機関への出資金払込手数料、手続きに係る委託手数料 等
■運営等経費
 ・事務所、店舗等の賃借料
 ・電気工事、設備工事、看板設置等の内外装工事費に係る経費
 ・デスク、厨房機器、空調設備
 ・パソコン、車両等動産のリース料
 ・フランチャイズ加盟料 等
■職業能力開発経費
 ・講習、研修会の受講費用
■雇用管理の改善に要した事業
 ・就業規則の策定に係る経費等
■両立支援に要する費用
 ・ベビーシッターや託児施設利用料

(3) 支給金額
助成対象となる経費(創業後3ヵ月以内に支払った助成対象経費)の3分の1(限度額200万円)

(4) 助成されるための手続き
■提出期限
 法人等の設立の前日までに事前申請。
■手続き先
 公共職業安定所
■提出書類
 事前届・・・「法人等設立事前届」
 助成金支給申請・・・「子育て女性起業支援助成金支給申請書」

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育児関係助成金について

1. 中小企業子育て支援助成金

一定の要件を備えた育児休業、短時間勤務制度を実施する中小企業事業主(従業員100人以下)に対して、育児休業取得者又は短時間勤務制度の適用が初めて出た場合に助成金を支給します。

(1) 受給できる事業主
■雇用保険の適用事業主であること。
■常時雇用する労働者の数が100人以下であること。
■一般事業主行動計画を策定し、都道府県労働局に届けていること。
■労働協約又は就業規則の規定が整備されていること。
 *育児休業取得に係る支給申請の場合 →育児休業について規定があること。
 *短時間勤務適用に係る支給申請の場合→短時間勤務制度について規定があること。
■平成18年4月1日以降、初めて「育児休業取得者」又は「短時間勤務適用者」が出たこと。
■対象となる育児休業取得者
 平成18年4月1日以降、6ヵ月以上の育児休業を取得し、職場復帰後6ヵ月以上継続雇用されていること。
■対象となる短時間勤務適用者
 平成18年4月1日以降、3歳未満の子についていずれかの制度を6ヵ月以上利用したこと。
 *1日の所定労働時間を短縮する制度             
   ・・・1日の所定労働時間が7時間以上の場合、1時間以上短縮 
 *週又は月の所定労働時間を短縮する制度
   ・・・1週間当たりの所定労働時間が35時間以上の者について1割以上の短縮
 *週又は月の所定労働日数を短縮する制度
   ・・・1週当たりの所定労働日数が5日以上の者について1日以上短縮
■対象労働者の雇用保険の被保険者期間
 *育児休業の場合
   ・・・子の出生の日まで、被保険者として1年以上継続雇用していたこと。
 *短時間勤務の場合
   ・・・短時間勤務適用開始まで、一般被保険者として1年以上継続雇用していたこと

(2) 支給対象となる期間
平成18年度から平成22年度までの5年間です。

(3) 支給金額

  育児休業 短時間勤務
1人目 100万円 @6ヵ月以上1年以下 60万円
A1年超2年以下 80万円
B2年超 100万円
2人目 60万円 @6ヵ月以上1年以下 20万円
A1年超2年以下 40万円
B2年超 60万円

(4) 助成されるための手続き
■提出期限
 受給できる事業主の要件を満たしたら日の翌日から3ヵ月以内。
■手続き先
 (財)21世紀職業財団
■提出書類
 中小企業子育て支援助成金支給申請書

(5) ちょっと教えてQ&A
Q:常時雇用する労働者とは?
A:支給申請を行う日の属する月の初日において、2ヵ月を超えて使用される者で、かつ週当たりの所定労働時間が通常の従業員と概ね同等である者です。

Q:「一般事業主行動計画」って何?
A:次世代法に基づいて、事業主は、雇用する労働者が仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備等について自社の行動計画を策定し、労働局へ届け出て、計画を実施することが求められています。

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